神奈川新聞掲載記事より
“黒い川”にアユが戻った
アユの溯上が確認された目久尻川

  = 海老名・杉本小学校付近
◆◆ 海老名の目久尻川、美化や下水道整備の成果か ◆◆
海老名市内を流れる目久尻川に「アユが戻ってきた」と市民たちの間で話題になっている。

かつては魚が住めない川の”代名詞”ともなっていただけに、川の清掃活動を続けてきた住民らの喜びも

ひとしお。

よみがえった川の姿に市民たちは「下水道の整備などが進んだためでは・・」としながらも、「今度はホタ

ルの飛び交う川に」と、さらに夢を膨らませている。


 同市によると、アユが確認されたのは四月下旬ごろ。川の美化活動に取り組んでいる市民たちが確認

したほか、知らせを聞いた市職員も市内二ヶ所で、かなりの数が群泳している様子を目視で確かめた。

体調は十センチほどで、高齢者の中には「長年住んでいるが、見たことがない」と驚く人も。


 同川は、相模原市相武台団地地区を源流に、座間や海老名、綾瀬、寒川などを流れて相模川に注ぐ

総延長約19.2キロの一級河川。

 海老名市下水道工務課などによると、昭和30年代後半ごろから、主に生活雑排水などの影響で、相

模川自体の急速な汚濁が問題になり、昭和40年代後半には、同市でも下水道整備事業に着手してい

る。

市内の2001年度末の普及率は94.9%に達し、「かつては黒い水と泡で底が見えなかったのに、ずい

ぶん変わった」(市職員)という。

 また、同市内の自治会や市議会議員有志らが1995年、「目久尻川をきれいにする会」を結成。

現在、約600人の会員たちが川の清掃やフナなどの稚魚放流、桜の植樹などを行っている。

昨年からは「ホタルの里づくり」に取り組み、餌となるカワニナを放流している。このほか、他の市民団体

でも川底の汚泥を取り除くなどの活動に取り組んでいるという。

 これらの取り組みの結果、水質は年々向上。同市環境保全課の調べでは、上流側の亀島橋付近での

BOD(生物化学的酸素要求量)を比べると、89年にに1リットル当たり35ミリグラムだったが、昨年11月

には、4.8ミリグラムと、環境基準5.0以下をクリアしている。


 漁業関係者によると、今年の相模川のアユは豊漁がきたいできる状況で、「川がきれいになったことと

合わせ、今回の溯上につながったのでは」と同会などではみている。

 同会では八日にも、アユの群れが泳いでいる姿を確認することにしており、「みんなで喜びを分かち合

いたい。さらに今後、他市町にもネットワークを広げ、よりきれいな川にしていきたい」と話している。